第6章 「認知症」予防の話 第2節 すぐに役立つ予防、これはやってみると良い予防策2項・血管型認知症 その2
3)血管の血流が低下する
これは、血流を作る心臓の収縮力低下、拍出量低下による場合、血管弾力性の低下や弛緩の場合、血液の流れに断続性がある場合があります。これらの予防は、心臓のリハビリによる心拍出量の安定強化でできます。近年多くのリハビリの本が出版されており、そちらを参照になさってください。血管強化は動脈硬化を防ぐことで達成できますから、「第3章 食事の話」の動脈硬化に関する箇所を参照なさってください。
血流の断続性も動脈硬化によって生じますので同様にしてください、不整脈で生じる場合は心疾患の治療と、予防では心臓リハビリでできますので、リハビリの出版物を参考になさって下さい。
が結び難い、漢字やカタカナ、ひらがながうまく書けない、衣類がうまく着られない、モノの書き写しが苦手になる、アナログ時計の時間がよく分らないなどの症状が出てきます。
4)血流は良いが流れる血液自体に問題があって流れていないのと同じ様相を呈する
これは血液の粘性が高まり流れにくくなることがある場合、血液に含まれる栄養不足や酸素不足などによる場合などがあります。
この予防はまず粘性が高まらない様に脱水、飲水過少に注意をすることが予防になります。栄養不足は食事のバランスを考えることが予防につながります。酸素不足は、貧血や呼吸器系の疾患による場合に起こるもので、普段からの食事バランスや日本人に多い痔出血を治療しておくことが予防につながります。
痔は日々の便通を整えて、便秘にならない様に排便を我慢したり、水分摂取を控えたりしない様にすることです。寒い場所での排便は回避してください、外痔核や切れ痔の基になりますので環境に注意をして改善を図ってください。トイレを温かく快適にすることは、健康な生活の大事な部分ですので、クレグレもオロソカニしないよう気を付けて下さい。
占部 新治(うらべ しんじ)
- 経歴
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- 1976年
- 北海道大学 医学部 医学科卒業
- 1980年
- 北海道大学 大学院 医学研究科生理系修了 医学博士
- 1980年
- 北海道大学 大学院 医学研究科生理系修了 医学博士
- 1981年
- 北海道大学 医療技術短期大学部 理学療法学科 助教授
(現:北海道大学 医学部 保健学科)
- 1995年
- 札幌医科大学 精神医学講座 講師 外来医長
- 1999年
- 札幌医科大学 保健医療学部 作業療法学科 教授
- 2001年
- 札幌医科大学 大学院 保健医療科学研究院 教授
- 2007年
- 北海道大学 大学院 保健科学研究院 教授
- 2011年
- 京都 三幸会 北山病院 副院長
- 2013年
- 京都 三幸会 第二北山病院 副院長 現在に至る
- 専攻領域
- 精神医学、 神経科学、 リハビリテーション医学
- 主な著訳書
- 日経サイエンス「 運動の脳内機構」 E.V.Everts著
- 主な著書
- 臨床精神医学講座 S9 アルツハイマー病(中山書店)、精神医学 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野(医学書院)、「学生のための精神医学」(医歯薬出版)
- 所属学会
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- 精神神経学会 専門医、専門指導医
- 老年精神医学会専門医、専門指導医
- 認知症学会専門医、指導医
- リハビリテーション医学会 臨床認定医
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