第6章 「認知症」予防の話 第1節 何を予防?原因がはっきりしない中、何を予防するのか?4項・認知症リスクが高くなる生活習慣とストレス
認知症リスクが高くなる生活習慣
生活習慣は、糖質の多い食事、ファーストフードの糖質・終末糖化産物、脂質・酸化して再加熱した油、そして忙しくて歯磨き時間も短く口腔内細菌が多く残ってしまう口腔ケア。
移動は車や電車で運動が不足になる通勤で、仕事もオフィスで坐ったままの運動が不足する仕事場、家でも食卓椅子やソファで座ることの多い生活。
喉が渇けば缶コーヒー、ペットボトルのソフトドリンクで糖質、脂質を飲み、ついつい歯応えのないスウィーツに手が出てまたまた糖質、脂質を摂取し、夕食時にはアルコールを摂取して糖質、デンプンを取ってしまう。
不足する運動は明日から、来週から、来月からで延び延びとなる状況で、休日は身体を休める日とゴロゴロしてますます運動不足で肥満が気になります。
夜はネットでアレコレ見て、ゲームを楽しんで夜更かしをして生活リズムは崩れっ放し。
部屋の掃除は週に1回ないし月に1回部屋を丸く掃き、部屋の隅には埃がこんもり溜まり、布団も一月敷きっぱなしで湿気った匂いやカビの匂いがする状態でも気にせず眠る。
こんな生活習慣では認知症リスクは高く認知症へまっしぐらです。
これが何年も続けば50歳代には脳内はアミロイドβ蛋白、τ蛋白、脳血流循環不良が多くなっている筈です。
ストレスも認知症リスクを高めます
仕事は、通勤時間が長く、満員の電車で多くのヒトに揉まれ、コスト削減で人数の少ない職場で仕事量だけは増えているストレスの溜まる仕事。
多くの情報量の中で埋没しない様に必死で目を凝らし、パソコンに向かう時間の多さ。パソコンを座った姿勢で見続け、平面画像を何時間も見て、頭部と上肢はほぼ固定したままで、手指を動かしまくる運動で、頸部と肩関節、肘関節の固定と自然の運動に反した運動を長時間続けるストレス。
筋肉痛や眼精疲労、ドライアイは必発の習慣は、抑うつ状態につながり認知症リスクは高くなります。
このように認知症リスクを高める生活に対して、悪しき事柄を徐々に減らす方向で、正反対とまでは行かなくても、生活変化をすることで認知症リスクの改善に十分役に立ちますので、是非あれこれ自分の生活を反省し改革をすることで、認知症を予防してください。
占部 新治(うらべ しんじ)
- 経歴
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- 1976年
- 北海道大学 医学部 医学科卒業
- 1980年
- 北海道大学 大学院 医学研究科生理系修了 医学博士
- 1980年
- 北海道大学 大学院 医学研究科生理系修了 医学博士
- 1981年
- 北海道大学 医療技術短期大学部 理学療法学科 助教授
(現:北海道大学 医学部 保健学科)
- 1995年
- 札幌医科大学 精神医学講座 講師 外来医長
- 1999年
- 札幌医科大学 保健医療学部 作業療法学科 教授
- 2001年
- 札幌医科大学 大学院 保健医療科学研究院 教授
- 2007年
- 北海道大学 大学院 保健科学研究院 教授
- 2011年
- 京都 三幸会 北山病院 副院長
- 2013年
- 京都 三幸会 第二北山病院 副院長 現在に至る
- 専攻領域
- 精神医学、 神経科学、 リハビリテーション医学
- 主な著訳書
- 日経サイエンス「 運動の脳内機構」 E.V.Everts著
- 主な著書
- 臨床精神医学講座 S9 アルツハイマー病(中山書店)、精神医学 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野(医学書院)、「学生のための精神医学」(医歯薬出版)
- 所属学会
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- 精神神経学会 専門医、専門指導医
- 老年精神医学会専門医、専門指導医
- 認知症学会専門医、指導医
- リハビリテーション医学会 臨床認定医
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