実際にご相談のあったエピソードをご紹介します
行動や感情の他にも、幻覚や特に幻視のエピソードもよく聞かれます。
いくつかご紹介します。
episode年をとってからテレビを前に座り込んで一日中見て過ごすことが目立つようになった。そしてテレビのリモコンがおかしい、電池が切れたらしい、リモコンが故障したなどと言うことが増え、家族が操作すると大丈夫だったので、扱いが乱暴なのではと思っていた。
このケースでは、そのうち家族との会話で耳が遠くなって大声で話すことが増え、聞き直すことや頓珍漢なことを言う場面が出たため受診して、認知症と診断されました。
その際何かおかしいなという事に気付きませんでしたかと医者が尋ねたところ、このリモコン操作の事を思い出された。
episodeモノが青く見えだし、店の戸締りを忘れるようになったので、家族が心配して病院受診し、脳画像検査から認知症と診断される。
周囲も色の事を言ってもさほど気に留めず、生活に影響もなく暮らせていたので全くこれが最初の兆候だとは気付かなかった。
大したことではないが、今までと違って色が青いと感じだしたのがポイントになった例で、色の感じ方が変わるのが認知症の始まりとは意識されない点が、あとになってそう言えばおかしなことを言っているなと思ったと周囲は納得された。
受け応えはしっかりしているが…
episode会社をやっていたが、金銭管理や帳簿記載に時間を要することが度々増え、顧客からクレームが来ることが多くなり始めた。
同じ話の繰り返しも増えて、借金返済に所有する土地を次々に手放すに至り、周囲が認知症ではと考え受診させ認知症と診断された。
この会社では、もともと金銭の浪費があったので、金銭管理について見過ごされていたが、認知症と診断されてから見直してみると随分と前から数字の合ってないことがわかったそうです。
episode何時の頃からか、片付けが徐々にしにくくなり、部屋が汚れ始めてモノで溢れるようになってきた。
初めはそのうちに片付けるだろう家族は思っていたが、部屋に物が増え始め気が付いたらもう散らかし放しで、これが最初の兆候であったと家族は思い当たった
このケースでは、時すでに遅く認知症との診断になりました。
episode掃除をしたばかりなのに、床に物があるかのように手を伸ばしてモノをつまむ動作をしていた。
キレイ好きな人だったので床に落ちているゴミを気にしているのかと思ったが、目立つようなゴミは落ちていない。
何とも不思議な光景だなと、思わず、何か落ちてましたかと尋ねると、「ええ、大したモノではないけれど、何か細かいのがいっぱいあるんです」と真顔で言われ、思わず床を再確認した。
episode突然に、ヒトが来ていると言い出して対応をするように言い出されたり、対応の準備をされたりするので、誰も来てないのにと思いながら念の為確認するも、やはり誰もいないため、その旨を伝えると来ていたけどと返答されて、本人の気の迷いか勘違いと思ったが、かなり真剣な表情で仰るので変だなと思った。
episode車でいつも行っているお得意さんへの配達中、「どうしても行きつけない」と家に電話をしてきた。
「なんかどうも変で…道は合っている筈なんだけど店が無いんだ…3回ほどまわりをグルグル回ってみたが無い…」と言う。
「店が移転したのだろうか?」と思い、いったん家に帰るように伝えて帰って来てもらった。
その後、一緒に車に同乗して、再度、お得意さんの元へいくと、今度は無事にたどりつけた。
こうした幻覚特に幻視というのが、最初の兆候であることも、レビー小体型認知症でみられることがあります。